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「虞美人草」読了。


虞美人草虞美人草
(2012/09/27)
夏目 漱石

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1907年初出。夏目漱石が職業作家として執筆した第一作らしい。らしいって時点で学がないことがわかりますね。読後にいろんな書評を読むと、夏目文学の中では失敗作として評されているらしい。先入観なく読めてよかったです。
主な登場人物は、外交官を目指す豪胆な性格の宗近一、体が弱いこともあり人生を達観している哲学者の甲野欽吾、その妹の艶やかでプライドが高い女性甲野藤尾。藤尾と恋仲になりたいエリート学者の小野清三。そして、小野さんの許嫁である井上小夜子とその父孤堂。宗近くんの妹で甲野さんを好いている糸子。立身と結婚という転機を舞台にした小説です。
小説としては確かに冗長なところもあるけれど、悲劇としてのカタルシスを作るためにこれだけの構成作ったんじゃないだろうかと思いました。虞美人草の評価として「人物がステレオタイプすぎる」という点があがってましたが、僕はステレオタイプだったから登場人物の動きが素直だったと感じました。ドラマ化もしているみたいですが、ドラマ化もしやすい内容だとも思います。

夢十夜でも感じたことですが、この本もテーマとしては価値観の転換と新旧価値観の折り合いがあったのだと思います。新しい時代に見える藤尾や甲野母の価値観と、古い時代に見える小夜子や孤堂先生の価値観を、ニュートラルな立場の小野さんがどう考えるか、小野さんは明治の読者だったのかもしれないなぁと思いました。どちらが良い・悪いのものではなく、価値観の判断基準は宗近くんが与えてくれたのだと思います。

「小野さん、真面目だよ。---僕が君より平気なのは、---時々まじめになるからさ。---真面目になれるほど、自信力の出る事はない、真面目になれるほど、腰が据わる事はない。真面目になれるほど、精神の存在を自覚することはない。天地の前に自分が存在していると云う観念は、真面目になって始めて得られる自覚だ。」
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